【広島工業大学・環境学部・地域環境学科・開設記念・
講演会(卓話会)】地域環境学の話(Part 1)~新しい
“地域環境づくり”を考える~ の実施内容の報告
広島工大 環境学部 地域環境学科
■広島工大では、環境学部の中に、新たに「地域環境学科」を、平成18年4月に開設しました。これを記念して、この度、≪地域環境学の話≫という講演会(卓話会)を、同大学・同学部・地域環境学科主催で開催しています。
■その<Part 1>は、平成18年10月7日(土)13時~16時に、ウエスト・プラザ(広島市中区の紙屋町交差点近く)の5階・会議室にて、≪新しい“地域環境づくり”を考える≫と題して、地域環境学科の4人の教員が講演しました。全体的に具体の例を交え、分かり易く、まさに机(卓)を囲んでお話し致しました。参加者は、一般市民、高校生、その保護者、大学生、行政職員、まちづくりコンサルタント、設計事務所、等々で、参加者総数は、定員35名のところ38名でした。以下、当日の内容の概要を報告します。
■その新設の「地域環境学科」は、地域の自然と生活・文化・歴史に根ざした(行政的な)都市や、(地理的・文化的な)地域のあり方の追求を理念として、次の3分野を柱として構成している学科であります。その3分野とは、「都市・地域・景観計画分野」、「地域社会計画・管理分野」、「地域・生活文化分野」であり、順に“創る”“育む”“守る”という≪学びの内容≫といえます。現場の体験学習を重視した「フィールドワーク」を実施し、環境に配慮しつつ新たな地域社会を創造する人材を育成するために、ハード・ソフトの両面から専門知識や専門技術を修得する新しい学科であります。卒業後の資格は、公務員、技術士(補)、再開発プランナー、建築士、等々で、主として、「都市計画技術者」や「まちづくりプランナー」としての活躍の場・場面を想定・期待しています。
■当日の講演の内容は次の通りであります。先ず、森保洋之教授から主旨説明を含めて挨拶。その後、卓話①として、青山吉隆教授が、「地域環境学- 人と環境に優しい地域をめざして- 」と題して講演し、地域環境学の目的は、多目的であり、持続的に発展し、アメニティ豊かな地域の形成にあること。その範囲は学際的であること。その構成は総合科学であり、調査・評価・政策・合意形成・等々が大事であること。環境首都は人と自転車が主役であること。自動車依存都市からの脱却、低環境負荷・静穏化型交通の政策的展開、安心・安全な町の形成が必要であること。等々の話がありました。次いで卓話②として、上嶋英機教授が、「海、川、山における“地域環境づくり”-景観・生態系などの自然環境の保全と再生 -」と題して講演しました。地域は、生命地域と解釈するとよいこと。瀬戸内の自然海岸・干潟・藻場・等の減少と、その回復への努力の必要性があること。生態系の循環性の認識が大事であること。環境を診断・評価・管理することは大事であること。沿岸情報からのマッピングの方法の開発は大事であること。沿岸域再生プロジエクトが始動していること。等々の話がありました。休憩後、卓話③として、三村泰臣教授が、「環瀬戸内海の桃源郷構想」と題して講演し、同一文化圏としての環瀬戸内海地域という認識をするとよいこと。陶淵明の「桃花源記」から、「桃源郷」は、美しい自然環境、ゆったりとした景観・町並み、高齢者福祉社会、オープンな社会、新しい地域環境、等々を有すると解釈することが可能であること。環瀬戸内海の「桃源郷構想」としての、伝統芸能を取り入れた海域・流域の新たな地域環境を構想すること。等々の話がありました。続いて卓話④として、脇田祥尚助教授が「宮島のまちづくり- 広島工業大学“地域環境宮島学習センター”の試み -」と題して講演しました。宮島に広島工大が同センターを設置した経緯の説明。その拠点としての町家の特徴・内容を提示したこと。それを地域活動拠点として活用する“フィールドワーク型教育”を実施すること。地域に開かれた教育・研究への指向が大事であること。地域との交流を通しての新しいまちづくりへの展開・提案が大事であること。等々の話がありました。最後に、上嶋英機教授が挨拶を行い、終了しました。
■全体として、1講演:30分+質疑:10分という構成でありましたが、分かり易く、しかも密度の濃い講演会になったように感じています。終了後の参加大学生・ほかの感想は次に通りでありました。●「地域環境」が、これからのキーワードの一つだと感じました。●自然環境からみた「地域環境学」の話しが新鮮でありました。●人にも環境にも優しい「地域づくり」の意味と、その達成の大事さを感じました。●海・川・山・まちなか・等々で何が起きているのか?についての理解と、今後の目配せ・対応が必要だと感じました。●「現実社会における理想郷」「アメニティ」「持続可能性」「環境共生・循環型社会の形成」等々の追及が大事であると思いました。●低成長社会、少子高齢社会でのまちづくりの模索・提案が必要だと感じました。●「地域環境宮島学習センター」の積極的活用が大事だと思いました。●「講演会」の前後に、講演内容に関する「パネル展示」を行い、講師の教員のゼミ生も参加して説明すると分り易い。●地域人、企業人・行政人等と、学生、教員等々との「人的交流、活動の協働性」が必要であります。等々でした。これらについては、検討し、今後に生かすことにしたいと考えています。 【終了】(文責:森保)
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